妹に彼氏を寝取られ傷心していた地味女の私がナンパしてきた年下イケメンと一夜を共にしたら、驚く程に甘い溺愛が待っていました【完】
「……な、んで……金森さんが……?」
『あ、勇気くん、そっちに着いた?』
「え?」
『私が教えてあげたのよ、お姉ちゃんが住んでるところなんて、とっくに知ってたし。百瀬くんとは結ばれないんだから、諦めてお姉ちゃんの事を愛してくれる勇気くんと結ばれればいいのよ。それじゃあね。勇気くんと一緒になるっていう良い報告、待ってるわ。ふふ』

 そして、有紗から電話を一方的に切られた私はスマホを手にしたまま立ち尽くすも、

(は、早く、部屋へ入らなきゃ)

 金森さんが一歩、また一歩と近付いてくる中、ひとまず彼から逃れようと玄関のドアを開けて部屋の中へ入ろうとするけれど、

「どうして逃げるんですか? この前の話もまだ終わってないし、ゆっくり話、しましょうか?」
「やっ! 離して! 止めて――っきゃあ!!」

 閉めようとしたドアを掴まれ強引に中へと入って来た金森さんに玄関先で押し倒された。

「やっ! 退いて! 離してっ!」
「ッチ! ったくうるさいなぁ、俺がこんなにも貴方を想ってるのに、何でそんなに騒ぐんだよ? 彼氏に捨てられたんだろ? 俺が愛してやるから、黙って俺を受け入れろよ」
「――っんん!!」

 逃げようと必死にもがき抵抗するけど、馬乗りになられて思うように動けず、助けを呼ぼうにも手で口を覆われて声すら出せなくなる。

「本当はこんな手荒な真似はしたくないけど、騒がれるのは困るしさ、仕方ないよね?」

(やだ……、怖いよ……ッ、百瀬くん……助けて!!)

 どうする事も出来ず、空いている手で着ているブラウスのボタンに手をかけられた、その時、

「亜夢!!」

 名前を呼ばれ、勢いよく玄関のドアが開かれたその先には、息を切らせた百瀬くんが立って居た。

「お前、何してんだよ! 離れろって!」
「うわっ!?」

 怒りを露わにした百瀬くんは私に馬乗りになっていた金森さんの腕を掴んで捻り上げると、私から強引に引き離して地面に叩きつけるように投げ飛ばした。

「亜夢!」
「……も、もせ、くん……ッ、百瀬くんっ!」

 そして、押し倒されていた私の元へ駆け寄った百瀬くんは身体を支えながら起こしてくれる。そんな彼の温もりを感じた瞬間、襲われかけた恐怖が一気に押し寄せ、涙が溢れ出る中、震え出した身体を彼が強く抱き締め、「大丈夫、もう平気だから」と優しい声で落ち着かせようとしてくれていた。
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