妹に彼氏を寝取られ傷心していた地味女の私がナンパしてきた年下イケメンと一夜を共にしたら、驚く程に甘い溺愛が待っていました【完】
「お前……っ、ふざけんなよ……!」

 投げ飛ばされた金森さんは身体が痛むのか、ゆっくり体勢を立て直すと、百瀬くんに掴み掛かろうとしてくるけれど、

「ふざけてんのはどっちだよ? 人の部屋に無理矢理押し入って押し倒して襲い掛かる、警察呼ばれて困るの、アンタの方だよな?」
「……っ!」

 百瀬くんのその言葉にまずいと思ったのか金森さんの動きが止まる。

「アンタの事なんて調べりゃいくらでも分かるんだよ。アンタが過去に起こした悪行の数々とか、な?」
「…………何なんだよ、狙いはなんだ? 金か?」
「金なんかいらねぇよ。要求は一つだけだ、金輪際、亜夢に近寄るな。姿も見せるな。破ったら、お前の過去は全てバラす」
「わ、分かったよ! そんな女、こっちから願い下げだ!」

 百瀬くんの言葉に怯え、金森さんは逃げるように部屋から飛び出して行った。

「……百瀬くん、どうして……」
「部屋の前に亜夢のスマホ落ちてて、何かあったと思ったら中から男の声が聞こえて来て、開けた瞬間亜夢が襲われてるのを見て、心臓が止まるかと思った……ごめん、もっと俺が早く来てれば……」
「……っ、ううん、そんなこと、ない……。助けてくれて、嬉しかった……、百瀬くんなら、来てくれるって、信じてた……」
「亜夢……もう大丈夫、これからはこんな思い、させたりしないから」

 もう一度ギュッと強く抱き締めてくれる百瀬くん。

 その時、金森さんが現れる直前までしていた有紗との電話を思い出し、

「百瀬くん、あのね、有紗から……電話があって、……百瀬くんが、結婚するって話を、聞いたって……本当、なの?」

 有紗が言っていた『結婚』について聞いてみるけど、

「その事で、話があるんだけど……ちょっと来て欲しい所があるんだ」
「……?」

 肯定も否定もしない彼は、来て欲しい所があると言って身体を離して立ち上がり、そんな彼に手を引かれて部屋を後にした私は車でどこかへ連れて行かれる事になった。

 そして、車は街の中心部へと差し掛かり、高層マンションが建ち並ぶエリアへやって来ると、その中でも一際立派なマンションの地下駐車場へ入って行った百瀬くんは迷うことなく車を停めた。「亜夢、行こう」と声を掛けられ不思議に思いながらも着いて行き、エレベーターで最上階までやって来て、ある一部屋の電子キーを解錠した百瀬くん。

「さ、中に入って」
「……お邪魔……します……」

 入るよう促されて戸惑いつつも足を踏み入れリビングまで進んだ瞬間、街の景色が一望出来る素晴らしい空間と、以前、二人で一緒に住むようになったらこんなリビングにしたいと私が言っていたようなコーディネートのリビングを前に、私の頭にハテナマークが飛び交っていた。
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