妹に彼氏を寝取られ傷心していた地味女の私がナンパしてきた年下イケメンと一夜を共にしたら、驚く程に甘い溺愛が待っていました【完】
「……でも、私……」

 俺の言葉を聞いても尚、亜夢は有紗に復讐する事は一切考えていないようだ。

 それが亜夢の優しい人柄で良いところではあるけど、やっぱりこのままじゃいけない。

「亜夢、優しさだけが人の為になる訳じゃない。時には厳しくする事も相手の為になると俺は思う。人を傷付けたく無い気持ちは分かるけど、これまで沢山酷い事をされてきたんだから、一度くらい、やり返してやろうって思ったっていいと思う。それであっちが何かして来ても俺が守るから、安心していいよ」

 どうにかして亜夢に考えを改めて欲しくて説得していると、それを聞いていた親父が話に参加してくる。

「百瀬から、亜夢さんが妹さんにこれまでされて来た事を少しだけど聞いている。色々と辛い思いをして来たね。今回婚約を発表して、妹さんが何かをしてくるかもしれない、荒木田家(うち)に迷惑がかかるかもしれない事を心配しているなら、それには及ばない。亜夢さんが荒木田家の人間になるという事は、今後亜夢さんに何かしようものならそれは荒木田家を貶めようとしているのと同じ事。そうなると亜夢さん一人の問題でも無くなる訳だから、こちらとしても黙ってはいない。直接話し合う事を望むなら、こちらの人間を同席させた上で話し合いの場を設ければいい。とにかく、これからは亜夢さん一人が背負う事は無いんだよ。百瀬は勿論、私たち家族の事も頼ってくれると嬉しいと思っているよ」
「親父……」
「……すみません、ありがとうございます……」

 親父の言葉を聞いた亜夢は何だか少し泣きそうだった。

 そして、話を聞いた末に亜夢が出した結論は――

「……私の家族の事でご迷惑をお掛けしているのに、心配までして貰えて本当に有難いです。私自身が変わる為にも、きっと今回の事は必要なんだと思えました。百瀬くん、私……一度でいいからやり返したい……もう有紗に、好き勝手させたくない」
「うん、そうしよう」

 有紗に制裁を与える事だった。
< 117 / 171 >

この作品をシェア

pagetop