妹に彼氏を寝取られ傷心していた地味女の私がナンパしてきた年下イケメンと一夜を共にしたら、驚く程に甘い溺愛が待っていました【完】
「亜夢、何が不安なの?」
「……それは……」
「不安な気持ち、俺に話してよ? 一人で抱えるより、楽になると思うよ?」
「……でも……」
「――それじゃあ、当てようか?」
「え?」
「今、亜夢が不安に思ってる事、当てようか? もし当たったら、俺との事、考えてくれる?」
「何言って……」

 私の不安なんて、分かる訳ない。

 幼い頃からずっと、大切なモノを奪われ続けた私の気持ちなんて、誰にも分かるはず無い。

 ――そう、思ってたのに、

「亜夢は、自分の元から大切なモノが無くなる事を恐れてる。そしてその元凶は、彼氏を寝取ったっていう妹の存在……なんじゃない?」

 百瀬くんは、見事に私の不安を言い当てた。

「……な、んで?」
「何でだろうね? それは、今は教えてあげない。けど、当たりでしょ?」

 彼のその問い掛けに首を縦に振って答える。

 どうして初対面の百瀬くんは、私の事を理解出来るのだろう。

 不思議で仕方ない。

「亜夢のその不安、俺が取り除いてあげる――」

 そう口にした百瀬くんはそのまま顔を近づけてくると顎を指で掬い、自分の唇を私の唇に重ね合わせてきた。

 突然のキスに驚く間もなく重ねられた唇が離れたと思ったら再び重ね合わせてくる。

「――ッん、」

 角度を変え、何度も何度もキスは繰り返される。

 そして、ようやく唇を解放されると今度は身体を引き寄せられて抱き締められる。

「も、百瀬……くん?」

 私が彼の名前を呼ぶと百瀬くんは顔を私の耳元へ近付け、

「何があっても、絶対離さない。俺は絶対、裏切ったりはしないから……だから、俺の事、信じてみない?」と、囁くように言葉を掛けてきた。

 何故彼は、そこまで私に拘るのだろう。

 私なんて特別可愛い訳でも何でも無いし、寧ろ洒落っ気も無い地味なタイプの女。

 そもそもこんな私に一目惚れしたと言うのも不思議な事だし、執着される程の魅力なんて無いのに……。

 百瀬くんみたいに格好良い男の子なら、私なんかよりも可愛い子が似合うだろうし、言い寄ってくる女の子だっているだろうに。

 考えれば考える程分からない私は思わず、「どうして、私なの?」と百瀬くんに理由を問い掛けた。
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