妹に彼氏を寝取られ傷心していた地味女の私がナンパしてきた年下イケメンと一夜を共にしたら、驚く程に甘い溺愛が待っていました【完】
Episode4
 私は、きっと幸せ者なんだと思う。

 これまでずっと辛い思いばかりで自分は不幸だと思ってきたけど、今が幸せだから、これまでの事は全てが帳消しになった気がする。

 百瀬くんに出逢えたあの日から、私の運命はきっと、幸せになるって決まっていたんだね。


 百瀬くんからプロポーズを受けて荒木田家へ挨拶へ行ったあの日から三日後、私と百瀬くんの婚約発表が全国に生中継される事になった。

 あの日以降、私と百瀬くんは携帯番号を変えたから有紗からの連絡は無いけれど、金森さん経由で百瀬くんが助けに入った事は聞いているだろうから、寄りを戻したと勘違いをしているであろう有紗は何とかして私や百瀬くんと連絡をとろうとしているに違い無い。

 私が住んでいたマンションについては、荒木田家の方で退去の手続きまで済ませてくれて、職場には百瀬くんも一緒に直接話をしてくれた事で、有紗との接触を警戒して代理人経由で退職の手続きを進めて貰う事になった。

 とにかく有紗の事で周りには物凄く迷惑を掛けてしまって申し訳ない思いでいっぱいだったのに、百瀬くんも荒木田家の人たちも嫌な顔一つせず、親身になって寄り添ってくれた。


 そして今、記者会見の場に居る私は最高に緊張していた。

「亜夢、そんなに緊張しなくても平気だよ。亜夢はただ隣に居るだけでいいんだから」
「……で、でも……テレビに、それが全国に流れるって思うとやっぱり緊張しちゃうよ……」

 百瀬くんは今やメディアにも顔出しをしているからなんて事無いのかもしれないけど、そういう事に無縁な私からしたら、発言しないにしても緊張する。

「荒木田さん、それではそろそろ始めますね」
「あ、はい、よろしくお願いします」

 そして、時刻は午後六時。

 各所でニュースが始まる時間と共に、【荒木田ホールディングス社長の一人息子が婚約を発表】というテロップと共に、百瀬くんと私が画面に映し出される事になった。
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