妹に彼氏を寝取られ傷心していた地味女の私がナンパしてきた年下イケメンと一夜を共にしたら、驚く程に甘い溺愛が待っていました【完】
「好きになるのに、理由って必要?」
「それは、そう……だよ……」
「ふーん? それじゃあ強いて言うなら、亜夢を見た瞬間、『この人だ』って思ったから……かな?」
「なに、それ……」
「だって一目惚れだもん。それ以外に理由なんて無いよ。とにかく俺にとって亜夢は魅力溢れてた、それだけだよ――」
「……ッん……」

 何だか理由になっていない理由を述べられ、納得出来ないままの私は再び百瀬くんからのキスを受け入れる。

 そして、

「ねぇ亜夢、どう? 俺の事、信じてみる気になった? それとも、やっぱり……嫌?」

 急に不安そうな、まるで捨てられた子犬のような瞳を向けながら聞いてくるもんだから、私は、

「……信じて……みたいって、思う……」

『絶対』とかそんな言葉は無いと思うけど、仕事以外の全てを失ったみたいな私にとって彼が現れた事は救世主のような気がしてきて、彼を信じてみるのもアリなのかも……なんて思いが頭の片隅に芽生えていく。

 そして更に、今夜の寝床を提供してくれて、住む場所の斡旋もして貰える。

 初対面なのに色々と世話を焼いてくれる彼になら、いっそ流されてしまうのもいいかもしれない。

 そう思ってしまった私は、どうせこんな関係は一夜限りのものに決まっているという思いが強かったから、

「…………今だけでいいから、私から不安を全て……消してくれる?」

 そう質問を返すと、

「今だけじゃなくてこれからずっと、不安なんて感じられないくらいに、幸せで一杯に満たしてあげるよ」

 フッと口角を上げて笑みを浮かべた百瀬くんは私の身体を軽々と抱き上げた。

「も、もせ……くん?」
「ベッドに行こう? ね?」
「…………うん」

 こんな風に抱き上げられたら、もう逃げる事すら出来ないし、頷くしかない。

 リビング横にある寝室へとやって来てベッドに優しく寝かされた私は軋む音と共に百瀬くんが上に跨るその光景をぼんやり眺めながら、自ら彼へと手を伸ばしていき――啄むような軽いキスから、貪るような激しいキスを繰り返しながら互いを求め始めていく。
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