妹に彼氏を寝取られ傷心していた地味女の私がナンパしてきた年下イケメンと一夜を共にしたら、驚く程に甘い溺愛が待っていました【完】
「あらそう! おめでとう、亜夢! だけど本当に、何で婚約の事を黙っていたの? 入籍だっていきなりで……。こういう事は前もって伝えて欲しかったわ。それで、式はいつ挙げるの? あっ、それより、両家の顔合わせは? あちらのご両親にも挨拶しないとねぇ、これから付き合いもあるだろうし」

 私の話を聞いた母から出た言葉に、一瞬耳を疑った。

 この前は親不孝な娘はいらない、とか言っていたはずなのに、入籍した事を聞いた途端何事も無かったかのように関わりを持とうとしてくるのだから。

 正直、これには呆れてしまう。

 しかも、当たり前のように荒木田家とも関わりを持とうとしているのも有り得ない。

「……式は、彼と二人で挙げるの。両家の顔合わせはしない。そして、今から伝える事が今日の話し合いの場を設けた一番の理由。今日限りで、私は貴方たち家族と今後一切関わりを持ちません。私の事はもう娘と思って貰わなくて結構です! どうか、忘れてください!」

 ハッキリ言わないと伝わらないだろうと思った私は、今後一切の関わりを持ちたくない事を伝え母から視線を逸らす。

 すると、私の一方的な言い分に納得のいかない母は怒りを露わにして椅子から立ち上がると、

「なっ! 一体どういうつもりなの!? 関わりを持たない? 娘と思わなくていい? 忘れろ? ふざけた事言わないで! 貴方と私は血が繋がってるのよ? 親子なのよ? これまで育ててやった恩を忘れたの? 貴方は、これから先私の面倒を見る義務があるわ! 勝手な事ばかり言って! いい加減にしなさいよ?」

 怒り狂ったように言葉を並べて捲し立ててきた。

 そしてそんな中、有紗はというと、

「……入、籍? お姉ちゃんと、百瀬くんが? お姉ちゃんが、幸せになる? 思い通りになった? 有り得ない……有り得ない……有り得ない……」

 俯き一点を見つめながらボソボソと言葉を呟いた後、壊れた人形のように『有り得ない』という言葉を繰り返していた。
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