妹に彼氏を寝取られ傷心していた地味女の私がナンパしてきた年下イケメンと一夜を共にしたら、驚く程に甘い溺愛が待っていました【完】
それから数日が過ぎた、ある夜の事。
隣の百瀬くんの部屋の玄関が開く音が聞こえて来た。
(え? 百瀬くん、帰ってきた?)
帰って来るという話は聞いていなかったものの、何か取りに来たとか近くに来たついでとか、そういう理由で立ち寄ったのかもしれないと急いで玄関へ向かってドアを開ける。
「百瀬くん!」
「亜夢!? びっくりした。今そっちに寄ろうと思ってたんだ」
「玄関が開く音、聞こえてきたから……」
「そっか。えっと、ちょっと話があるんだけど、上がってもいい?」
「勿論! どうぞ」
「お邪魔します」
話というワードは気になったものの、久しぶりに百瀬くんに会えた事が嬉しくて、私のテンションはいつになく上がっていた。
「それで、話って?」
百瀬くんにコーヒーを淹れてソファーに座った私は、先程言っていた話というのが何なのかを問い掛けると、
「……実は俺、今の職場を辞めて正式に荒木田ホールディングスに入って親父の補佐をする事になったんだ」
思いもよらぬ言葉が返ってきた。
「え? お祖父さんの具合、やっぱり良くないの?」
「いや、そういう訳じゃない。じいちゃんや親父は前々から俺に今の会社を辞めて家業を継ぐ準備を始めろって言ってて俺はそれを断ってたけど、今回みたいな事になって、やっぱりそろそろ自分の我儘ばかり通すのも違うかなって、思ってさ……」
「……そっか……」
「それと、親父がいい加減家に戻って来いって言ってて、俺、近々今の部屋を引き払う事になったんだ」
「そう、なの……?」
今の仕事を辞めて家業を継ぐという話には驚いたけど、完全に実家へ戻ってしまうという事は、これからもっと百瀬くんと会えなくなってしまう事を意味していた。
「そっか……淋しいけど、仕方ないよね、そういう事情じゃ」
「…………ごめんね」
「え?」
「傍に、居られなくて」
「ううん、仕方ないよ……お家の事だもん」
本当は淋しい。ずっと近くに居て欲しい。実家になんて帰らないで欲しい。
そう思うけど、私がとやかく言える事じゃない訳で、どんなに嫌だと思っても納得するしか選択肢が無い。
「あの、今日はもう、帰らなきゃ駄目なの?」
「うん、取りに来たかった物があったのと、この話を亜夢にしたかっただけだから」
「そっか……」
折角久しぶりに会えたのに、こんな微妙な雰囲気になりたくないのに、何だかすっかり居心地が悪くなってしまった。
「……ごめん、今日はもう、帰るよ。今度の休みに、部屋を片付けに来るから」
「……うん、分かった。片付け、私も手伝うね」
「ありがとう、それじゃあ、またね」
「うん、またね……」
喧嘩をした訳じゃないけどまるで喧嘩したみたいに雰囲気になり、ぎこちないままで別れる事になってしまい凄く悲しかった。
隣の百瀬くんの部屋の玄関が開く音が聞こえて来た。
(え? 百瀬くん、帰ってきた?)
帰って来るという話は聞いていなかったものの、何か取りに来たとか近くに来たついでとか、そういう理由で立ち寄ったのかもしれないと急いで玄関へ向かってドアを開ける。
「百瀬くん!」
「亜夢!? びっくりした。今そっちに寄ろうと思ってたんだ」
「玄関が開く音、聞こえてきたから……」
「そっか。えっと、ちょっと話があるんだけど、上がってもいい?」
「勿論! どうぞ」
「お邪魔します」
話というワードは気になったものの、久しぶりに百瀬くんに会えた事が嬉しくて、私のテンションはいつになく上がっていた。
「それで、話って?」
百瀬くんにコーヒーを淹れてソファーに座った私は、先程言っていた話というのが何なのかを問い掛けると、
「……実は俺、今の職場を辞めて正式に荒木田ホールディングスに入って親父の補佐をする事になったんだ」
思いもよらぬ言葉が返ってきた。
「え? お祖父さんの具合、やっぱり良くないの?」
「いや、そういう訳じゃない。じいちゃんや親父は前々から俺に今の会社を辞めて家業を継ぐ準備を始めろって言ってて俺はそれを断ってたけど、今回みたいな事になって、やっぱりそろそろ自分の我儘ばかり通すのも違うかなって、思ってさ……」
「……そっか……」
「それと、親父がいい加減家に戻って来いって言ってて、俺、近々今の部屋を引き払う事になったんだ」
「そう、なの……?」
今の仕事を辞めて家業を継ぐという話には驚いたけど、完全に実家へ戻ってしまうという事は、これからもっと百瀬くんと会えなくなってしまう事を意味していた。
「そっか……淋しいけど、仕方ないよね、そういう事情じゃ」
「…………ごめんね」
「え?」
「傍に、居られなくて」
「ううん、仕方ないよ……お家の事だもん」
本当は淋しい。ずっと近くに居て欲しい。実家になんて帰らないで欲しい。
そう思うけど、私がとやかく言える事じゃない訳で、どんなに嫌だと思っても納得するしか選択肢が無い。
「あの、今日はもう、帰らなきゃ駄目なの?」
「うん、取りに来たかった物があったのと、この話を亜夢にしたかっただけだから」
「そっか……」
折角久しぶりに会えたのに、こんな微妙な雰囲気になりたくないのに、何だかすっかり居心地が悪くなってしまった。
「……ごめん、今日はもう、帰るよ。今度の休みに、部屋を片付けに来るから」
「……うん、分かった。片付け、私も手伝うね」
「ありがとう、それじゃあ、またね」
「うん、またね……」
喧嘩をした訳じゃないけどまるで喧嘩したみたいに雰囲気になり、ぎこちないままで別れる事になってしまい凄く悲しかった。