世界を救わなくったって
どうやったら、そんな解釈になるんだ?


「王様の子供を好きになったことが、一度も無いんだが」

「……え?」


テイルの目が大きく開かれる。


「だって、私に魔王を倒されたの、すっごく悔しがってたじゃん!」

「テイルが王様の子供と結婚すると思ってたから」

「なんで?私、オネストのこと好きじゃないよ」

「えっ」

「えっ」


…………。
少し、考えよう。

テイルは王様の子供を好きじゃないし、王様の子供と結婚する気はない。
じゃあ、本当に「俺を王様の子供と結婚させないため」に、魔王を討伐したってことになる。

……ムンターさんの言ってたことって、これのことか!!


「ふっ、あははっ」


今までの勘違いに気付いて、笑ってしまった。


「何何?なんで笑ってるの?」


テイルが不思議そうに俺を見る。


「自分のバカさ加減に笑ってる」


あー、もう。
本当にバカだなぁ。

明日、ムンターさんにお礼を言おう。
< 32 / 51 >

この作品をシェア

pagetop