世界を救わなくったって

テイル目線

魔王を倒して、人間の暮らしはどう変化したのだろう?
目に見えた変化を、私は感じられなかった。
人生の9割以上を村で過ごしていたからかな?
魔王を倒した後、一度村に戻ったが、魔王を倒してもいつも通りの生活だった。

今は王様に呼ばれて、また王都に来ている。
村と物価が違うから、宿代だけでも打撃を受けてしまう。
安い宿屋を探したら、城から遠かった。
仕方ない。


「本当に、その格好でパーティーに行くのか?」


私が宿屋の部屋から出ると、着飾ったフィアーバが、不安そうに何度も確認をしてくる。


「……似合ってない?」


私が今着ているドレスは、相場より安いものだ。
でも、私の金銭感覚からすればめちゃくちゃ高い。

ドレスを売っているお店の人は、めちゃくちゃ褒めてくれたんだけどなぁ。
もしかしてお世辞だった?


「とても似合ってる!すごく!」

「あはは、ありがとう」


そんなに必死にならなくても。
フィアーバは優しいなぁ。


「フィアーバも、似合ってるよ」

「そうか?」

「うん。カッコイイ」


顔が整っているから、正装を着てもカッコイイよね。
きっと、パーティー会場でもいろんな人に声をかけられるんだろうなぁ……
< 33 / 51 >

この作品をシェア

pagetop