君の隣は誰にも譲れない

「そうですけど……」

 彼は私をじっと見た。

「やっぱり何かあっただろ?元気がないようだが……」

「いいえ。お夕飯どうしますか?」

「久しぶりだ。どこか食べに行こうか?」

「え?いいんですか?」

「ああ、もう大丈夫だろう」

 彼は角の死角に私を連れ込み、突然ぎゅっと強く抱いた。そして、首元に顔を当てて囁いた。

「あー、充電がキレて死ぬ寸前だった。でも君に被害が及んだら本末転倒だからね。数ヶ月も稚奈を見るだけで我慢した」

「どういうこと?」
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