君の隣は誰にも譲れない

「僕の身辺を嗅ぎ回る奴がいてね。少し危ない奴で、君を巻き込む可能性もあった。そいつがようやくお縄になったんだ」

「ええ!?まさか、そのせいでずっと……」

「ああ、一度部屋に隠しカメラや盗聴器が見つかって。取り払ったが、念のため気をつけていたんだ」

「嘘、私……」

 私はてっきり嫌われたと思ったのに違ったの?

「どうした?」

「もう、京介さんの馬鹿!」

「え?」

 抱きしめていた私が涙声となったのに気づいた彼は、私を見つめた。

「き、嫌われたかと思ってた。もうすぐ捨てられると思ってた……」
< 76 / 91 >

この作品をシェア

pagetop