君の隣は誰にも譲れない
「僕の身辺を嗅ぎ回る奴がいてね。少し危ない奴で、君を巻き込む可能性もあった。そいつがようやくお縄になったんだ」
「ええ!?まさか、そのせいでずっと……」
「ああ、一度部屋に隠しカメラや盗聴器が見つかって。取り払ったが、念のため気をつけていたんだ」
「嘘、私……」
私はてっきり嫌われたと思ったのに違ったの?
「どうした?」
「もう、京介さんの馬鹿!」
「え?」
抱きしめていた私が涙声となったのに気づいた彼は、私を見つめた。
「き、嫌われたかと思ってた。もうすぐ捨てられると思ってた……」