君の隣は誰にも譲れない

「捨てられる?誰が?誰を?」

「京介さんが私を捨てるの!」

 彼は私の顎を捕らえて、唇へ食いつくようにキスをした。

「捨てるわけがない。君に触れなかったので勘違いしたのか?一度触れたら止まらないから我慢してたんだ」

「さっき……下で声をかけられました」

「誰に?それで遅かったのか?まさか、何かされたの?」

 彼は私の肩を揺すると私の顔をのぞき込んだ。

「京介さんの元カノという人です。栗色の巻髪の派手な服の人」

「またあいつか。どうして、君を……」

「結婚前提でお付き合いしていたとおっしゃってましたけど、本当ですか?どうしてお別れに?」
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