水槽の人魚は、13年越しの愛に溺れる
(うわぁ、修羅場だ……)
碧と海里は話に夢中で気がついていないが、他のメンバーは真央と真里亜に手を振っている。
「……俺は不誠実だ」
「知らねーよ。いつまで悲劇のヒーロー気取ってんだ。いい加減目を覚ましやがれ!」
「……俺は、真央と共に、借金を返済する。完済したら……真央と婚姻したい。もう二度と、赤字に転じることがないように……。しっかりと、経営状況を確認しながら。身の丈に合った経営をしていきたい」
「行きたいじゃないだろ。なんでそこで、願望になるんだよ」
「……する。これでいいか」
「お前は、ほんとに……」
碧は海里に向かって何かを言いかけたが、自身の頭を乱暴に書き回すと、口を閉ざした。海里が何か言いたげに、かつての仲間を見渡したからだ。
「碧、みんな……。俺が不甲斐ないばかりに……。たくさん、迷惑をかけた。もう一度、俺に力を貸してくれないか」
里海水族館の愉快な仲間たちだけで話し合いをしてもらえるように、席を外したのは間違いではなかったようだ。
どんな心境の変化か。海里は真央が連絡を取って集めた人々に、自分から頭を下げた。
「あのよくわかんねーやべぇ大企業の手なんかを取る前に、こうやって頭を下げるだけで良かったんだよ。お前は」
「碧……」
「そうだよ。海里くん。僕たちはずっと、君が頼ってくれるのを待っていたんだ」
「一度は道が違えたけど、今度こそみんなで。力を合わせれば、きっと大丈夫」
「大きくなって……」
「今の言葉、忘れんじゃねーぞ。真央ばっかに頼ってられねぇんだ。半年で、真央がいなくとも黒字経営できるくらいの目玉を、俺達が作ってやるよ!」
「あー……社長さん。目の前で一人の社員が転職宣言してますけど……これって、認めてもらえます?」
「もちろん。労働の自由があるからな!俺は引き止めたりはしないぞ!ただし……。こちらも条件があるが……ふふふ……」
「ひぇえ……っ!」
現在碧は妹と同じ会社で働いている会社員だ。辞表を叩きつけた所でかなり長い間水族館の仕事からは離れている。ブランクがあるのだ。
碧と海里は話に夢中で気がついていないが、他のメンバーは真央と真里亜に手を振っている。
「……俺は不誠実だ」
「知らねーよ。いつまで悲劇のヒーロー気取ってんだ。いい加減目を覚ましやがれ!」
「……俺は、真央と共に、借金を返済する。完済したら……真央と婚姻したい。もう二度と、赤字に転じることがないように……。しっかりと、経営状況を確認しながら。身の丈に合った経営をしていきたい」
「行きたいじゃないだろ。なんでそこで、願望になるんだよ」
「……する。これでいいか」
「お前は、ほんとに……」
碧は海里に向かって何かを言いかけたが、自身の頭を乱暴に書き回すと、口を閉ざした。海里が何か言いたげに、かつての仲間を見渡したからだ。
「碧、みんな……。俺が不甲斐ないばかりに……。たくさん、迷惑をかけた。もう一度、俺に力を貸してくれないか」
里海水族館の愉快な仲間たちだけで話し合いをしてもらえるように、席を外したのは間違いではなかったようだ。
どんな心境の変化か。海里は真央が連絡を取って集めた人々に、自分から頭を下げた。
「あのよくわかんねーやべぇ大企業の手なんかを取る前に、こうやって頭を下げるだけで良かったんだよ。お前は」
「碧……」
「そうだよ。海里くん。僕たちはずっと、君が頼ってくれるのを待っていたんだ」
「一度は道が違えたけど、今度こそみんなで。力を合わせれば、きっと大丈夫」
「大きくなって……」
「今の言葉、忘れんじゃねーぞ。真央ばっかに頼ってられねぇんだ。半年で、真央がいなくとも黒字経営できるくらいの目玉を、俺達が作ってやるよ!」
「あー……社長さん。目の前で一人の社員が転職宣言してますけど……これって、認めてもらえます?」
「もちろん。労働の自由があるからな!俺は引き止めたりはしないぞ!ただし……。こちらも条件があるが……ふふふ……」
「ひぇえ……っ!」
現在碧は妹と同じ会社で働いている会社員だ。辞表を叩きつけた所でかなり長い間水族館の仕事からは離れている。ブランクがあるのだ。