ご令嬢ではありません!~身代わりお見合いだったのに、敏腕CEOが執愛に目覚めたようです~
「紅しょうがとの相性抜群だな」

 社長はとても気に入ったようで、勢いよく食べ始めた。

(社長って御曹司だけど、やけに庶民的なところもあるのよね。普通に社食食べていて、あんまり物欲とかもなさそうだし)

 お互いに無言で食べ進めていると、途中で社長が話を切り出した。

「田中さんの好きなタイプは、どんな男性?」

 いきなりの直球質問に、食べていたご飯を吹き出しそうになる。

「好きなタイプですか⁉ ええと……」

 好きなタイプを言ったら、社長そのものになってしまうので、私の気持ちが露見してしまう。

「社長はどんな女性が好きなのですか?」

 とりあえず質問返しをして時間を稼ごう。

「そうだな。俺は、着物が似合っていて、顔立ちは綺麗だけれど雰囲気は可愛らしくて、よく笑い、よく食べ、よくお酒を飲む朗らかで優しい女性が好きだ」

 社長は誰かのことを思い出すかのように微笑みながら言った。

(それ、有紗の身代わりをしたときの私のことみたい)
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