ご令嬢ではありません!~身代わりお見合いだったのに、敏腕CEOが執愛に目覚めたようです~
「社長は、結果が出ない可能性のある研究についてどう思いますか?」

「え、研究?」

 いきなり研究の話になったので、社長は戸惑っていた。無理もない、私もこの流れで仕事の話が出たら困惑する。

 でも、私の中では繋がっていた。研究は、自分が予想していたような結果が出ないことも多い。もしも予想とは正反対の結果が出て、それがなんの意味もなさないものだとしたら、それまでにかけた時間も労力もお金も全て無駄になる。

 だからある程度予想が立つ無難な研究を選ぶ。でも、本当に世の中のためになる偉大な研究は、そのリスクを背負わないと生み出されない。

 全てを失う覚悟で研究に投資して、職を失った人を知っている。研究は学問だけれど、ある意味で夢を追う仕事でもある。

 成功しなければ、その結果負うデメリットは相当なものなのだ。

 私にとって、社長の申し出はそれくらいメリットとデメリットが大きいものだった。
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