ご令嬢ではありません!~身代わりお見合いだったのに、敏腕CEOが執愛に目覚めたようです~
その夜、私たちは何度も重なり合った。
互いの愛を確かめ合うように、体が触れ合う度に親密になっていく。
恥ずかしさも、どこかぎこちない緊張感も剥がれ落ちていく。
自分の素を見せるのが怖かった。でも、そんな恐怖感も貴富さんが優しく溶かしてくれる。
朝になると、眠る貴富さんの横をそっと抜け出し、起きないようにゆっくりと寝室を出た。
(プレ新婚生活、頑張るぞ!)
冷蔵庫を開けると綺麗に整頓されていた。野菜や卵、肉なども一通り揃っていたので、貴富さんは自炊するタイプなのだろう。
(綺麗好きで実直そうだもんね)
正直、料理は得意な方ではない。仕事が忙しすぎてそれどころじゃなかった、というのはもちろん言い訳である。
できないわけではないけれど、栄養さえ摂れればいいだろ的な、放り込み系の男前一品料理である。
(自分が結婚するなんて思ってもいなかったから、花嫁修業なんてしてないよ!)