ご令嬢ではありません!~身代わりお見合いだったのに、敏腕CEOが執愛に目覚めたようです~
 そして、ようやく朝食を食べたと思ったら、一口食べるごとに、いかに素晴らしく美味しいかを熱弁する。

 こんな冴えない朝食なのに、まるで一流シェフが作った芸術作品を食べているかのような反応だ。

 貴富さんが私のことを本当に好きでいてくれているのは、紛れもない事実のようだ。

 私のなにが貴富さんの感性に触れたのかわからないけれど、とんでもなく溺愛されている気がする。あばたもえくぼで、貴富さんの目には全てが良く映っているらしい。

「ああ、素晴らしい朝だ。この世で一番幸福な男は俺だな」

 言い過ぎとは思うけれど、貴富さんは本当に心からそう思っている様子なので、苦笑いするしかない。

 もちろん私も幸せな朝だけれど、こんなに感情を手放しで表現することはできない。面白い方だなと思う。

「そうだ、今日はどうする? 行きたいところはある? 遊園地を貸し切りにするとか、ヘリをチャーターするとかなにがしたい?」

 例えが全部普通のデートプランじゃない。
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