ご令嬢ではありません!~身代わりお見合いだったのに、敏腕CEOが執愛に目覚めたようです~
「おはよう……え! これってまさか、俺のために作ってくれたのか⁉」

 貴富さんはテーブルに並べられている朝食を見て、目を輝かせた。

「はい、一応。この程度のレベルのものしか用意できなくてお恥ずかしい限りです」

 絶対貴富さんの方が料理上手いだろうから、呆れられるかなと思いきや、貴富さんは感動で胸がいっぱいといった表情で喜びが全身から溢れ出ていた。

「芳美が俺のために貴重な朝の時間を使って作ってくれたなんて感動で胸が震えるよ。食べるのがもったいないくらいだ。永遠に保存しておきたい。あ、ちょっと待って、たしか一眼レフカメラがあったはず」

「こんな映えない朝食を撮る必要はないですよ」

 私の言葉も聞かずに貴富さんはリビングを出ていき、本格的な一眼レフカメラを持ってきた。

「ちょ……貴富さん……」

 困惑している私をよそに、貴富さんは構図を意識して何枚も撮っていく。

(いや、恥ずかしい)
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