ご令嬢ではありません!~身代わりお見合いだったのに、敏腕CEOが執愛に目覚めたようです~
 悠斗君の家に着き、アパートの部屋の玄関のチャイムを押すと、有紗が出てきた。

「芳美! 来てくれてありがとう、さあ、上がって」

 まるで自分の家に招待するかのような口調だ。すっかり馴染んだ様子が見て取れる。

(良かった、数日前より明るくなっている)

 部屋に上がると、悠斗君がデスクチェアに座りながらパソコンで漫画を描いていた。

「ごめんね、仕事中にお邪魔しちゃって」

「いいえ、こちらこそすみません。仕事しながらですけど、話は聞いていますので」

 悠斗君は軽く私に会釈すると、作業に没頭し始めた。

「芳美なに飲む~? 紅茶? コーヒー? それともお茶?」

 キッチンから有紗が声をかけてくる。

「ああ、じゃあコーヒーで」

 ソファに腰かけながら待っていると、私が手土産に持ってきたケーキとコーヒーをお盆に乗せて運んできた。

 有紗は、悠斗君のデスクにもコーヒーとケーキを置くと、悠斗君は私にお礼を言った。

 この前来たときより、和やかな雰囲気になっている。二人でなにか話し合ったのだろうか。
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