身代わりお見合い婚〜社長に溺愛される365日〜
「私はたまに気持ち悪くなるくらいなので大丈夫ですよ。仕事もいつも通りするつもりですし」

「いや、芳美さんに余計な心労はかけたくないので、いったん僕だけで行ってきます」

 貴富さんは苦虫を嚙み潰したような顔で言うので、よほど懸念材料があるのだろう。

 受け入れてもらえるのだろうか。

(貴富さんが勘当されちゃったらどうしよう)

 子どもを作って無理やり周囲を納得させて結婚なんて、強引すぎる手だとは思っていたけれど、その強烈なやり方ですら認めてもらえなかったら。

(今は貴富さんを信じるしかない)

 貴富さんから愛されているのは日々伝わってくる。もしかしたら私以上に、結婚したいと熱望しているのは貴富さんかもしれない。

< 198 / 247 >

この作品をシェア

pagetop