ご令嬢ではありません!~身代わりお見合いだったのに、敏腕CEOが執愛に目覚めたようです~
たしかに敷地に入るだけでも厳重なセキュリティがあった。

 ご両親やおばあ様も不思議そうな顔をしていると、元気の良い声がリビングに入ってきた。

「失礼しま~す!」

 明るく元気な女性の声だ。

(え、この声って……)

 貴富さんと顔を見合わせる。まさかと思っていると、リビングに入ってきたのは、有紗と悠斗君だった。

「有紗⁉」
「悠斗!」

 有紗を呼ぶ私の声はかき消され、貴富さん家族は驚いた様子で悠斗君の名前を呼んだ。

 まるで幽霊でも見るような目で、皆の視線が悠斗君一点に集中している。

(え、どういうこと?)

 貴富さんも驚いた顔で悠斗君を見ている。

 今日の悠斗君はいつもの地味な格好ではなく、オシャレなジャケットを着こなして、髪型もセットしていた。いつも猫背だったから気がつかなかったけれど、高身長でモデル体型だ。前から顔は整っているなとは思っていたけれど、今日の悠斗君の雰囲気はまるで……。そう、まるで貴富さんのよう。
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