ご令嬢ではありません!~身代わりお見合いだったのに、敏腕CEOが執愛に目覚めたようです~
  否定する私に、有紗は優しく微笑んだ。私は恋愛話が苦手ということを有紗は知っているし、自分のことを話すのも得意じゃないということも知っている。

 全部わかった上で、有紗は受け入れてくれている。それがとても居心地がいい。

「服はこれがいいと思う」

 化粧が終わると、有紗は洋服も貸してくれた。白地に小花柄の質の良いワンピースだ。

「可愛すぎない? 私に合うかな?」

「芳美は華奢だから、悔しいけど私より似合うと思うわよ。ま、私は綺麗系だから、もう少し大人っぽい雰囲気の方が合うってだけだけどね」

 有紗の自信満々なところが好きだ。振り切っていて清々しい。

 ワンピースも着て、全身鏡の前に立つと、まるで知らない人が映っているようだった。

 私がオシャレをして男の人と会う日が来るなんて。とっても不思議な感覚だ。

「本当は芳美のデートの相手がどんな人か一目見ておきたかったのだけど、あいにく今日は悠斗とデートなのよ」

「え⁉ 見に来ないでよ!」
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