偽装結婚から始まる完璧御曹司の甘すぎる純愛――どうしようもないほど愛してる
(響一さんは、本当に私を心配してくれているんだ)

 真剣に考えてくれているのが伝わってくる。花穂は頷き、輝との過去を打ち明ける決心をした。

「輝さんとは父の勧めで二十一歳の頃婚約したの。彼は地元の有力企業の跡継ぎで目立つ人だった。女性にも人気がある人で。それなのに地味な私が婚約相手になってがっかりしていた」

「そう感じるような嫌な態度をとられたのか?」

 不満そうな響一に、花穂は首を横に振る。

「態度もそうだけど、直接はっきり言われたの。なんで俺がこんな冴えない女と結婚しなくちゃならないんだ、最悪だって」

「そんな言葉を? 信じられないな」

 響一は驚愕の声を上げ、顔をしかめる。

「あの人は私に対しては遠慮なく何でも言ってたから。でも私も内心では輝さんとの婚約が嫌だと思っていたからお互い様なところもあったの」

「……そうだとしても、花穂は口には出さなかっただろう?」

 怒りを見せていた響一の態度が軟化する。その理由が分からず気になったが花穂は言葉を続ける。
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