偽装結婚から始まる完璧御曹司の甘すぎる純愛――どうしようもないほど愛してる

 ブラッシングとスキンケアを済ませリビングに戻る。ふたり分のお茶を淹れ終えると丁度良いタイミングで響一がやって来た。

 お風呂上りの彼はパジャマ替わりのティーシャツとスエット姿。洗いざらしの髪のせいかスーツ姿のときとは少し違っている。

 初めは新鮮に感じていたその姿も、今ではすっかり慣れた。

 響一がソファに腰を下ろすと花穂のその隣に座る。

「今日はオレンジフレーバーティーにしたの」

 ほんのりと感じる柑橘の香が爽やかなお茶だ。

「へえ……これは美味いな」

 響一は味を確かめるように一口飲み、気に入ったようでごくごくとコップ半分以上を一気に呑む。

「風呂上りの飲み物に気を遣ったことなんてなかったけど、こうして味わうのもいいものだな」

「ふふ。そうでしょう?」

 いろいろな飲み物を試したり、楽しむのはひとり暮らしの頃から、花穂のささやかな楽しみだった。

 彼がこうして付き合ってくれるのは嬉しい。

「あ、そう言えば今日ね、広斗さんがカフェに来たの」

「そうなのか?」
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