偽装結婚から始まる完璧御曹司の甘すぎる純愛――どうしようもないほど愛してる
 しみじみと言われ、花穂は嬉しさが隠せない。

(こんなに喜んでくれているなら、もっと凝った料理を作っておけばよかったな)

「しめはうどんでいい?」

「ああ、俺がやるよ。花穂は座っていて」

 響一が立ち上がりてきぱきと準備をしてくれる。しばらくすると玉子入りのうどんが出来上がる。

「熱いから気をつけてな」

 響一自ら器に盛り付けまでしてくれた。仕事で疲れていると思っていたのに、そんな気配は全くない。むしろ元気で機嫌も上々に見える。

「ありがとう」

 響一は自分の分も取り分けると、早速食べ始める。花穂には温度に気をつけろと言っていたのに、自分は気にしないようだ。

 そんな様子を見ながら花穂もふうふうしながらうどんをすする。最高に美味しいと思った。

「そうだ。三月末に休みを取って遠出をしないか?」

 食事を終えて少し経った頃、響一が思い出したように言った。

「遠出?」

「ああ。これまで花穂の実家くらいしかふたりで出かけたことが無かっただろ? 以前から丸一日休みにして花穂とゆっくり楽しみたいと思ったんだ」

 響一がにこりと微笑む。

「うん……楽しそう。もちろん賛成!」
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