偽装結婚から始まる完璧御曹司の甘すぎる純愛――どうしようもないほど愛してる
響一は電話を切ると小さく息を吐き、それから花穂に申し訳なさそうな視線を向けた。
「祖父に呼ばれた。花穂も一緒に来て欲しいそうだ」
「え? あ、分かった。すぐに出られるようにするね」
花穂は大急ぎで私室に行くとエプロンを外して手櫛で髪を整える。Tシャツ一枚だったので上から薄手のカーディガンを羽織り玄関に戻る。響一は脱いだ靴を履き花穂を待っていた。
「急かして悪い」
「大丈夫」
そのまま離れを出て響一と母屋に向かう。
(用ってなんだろう。今朝会ったときは何も言われなかったけれど)
花穂まで呼ぶということは、仕事関係ではないだろうし。
「失礼します」
急ぎ足で祖父の部屋に辿り着くと、響一がひと言かけて引き戸を引いた。
「会長、急ぎの話って言うのは……」
響一はそう声をかけたが次の瞬間、声を詰まらせた。
花穂も同様に驚き目を見開いた。響一が早足で部屋を突っ切る。
「いったい何が有ったんですか?」
祖父の腕には包帯がぐるぐる巻かれ、三角巾でつるされていた。
「……ちょっと転んでしまってな」
「転んで? また無理をしたんでしょう?」
「祖父に呼ばれた。花穂も一緒に来て欲しいそうだ」
「え? あ、分かった。すぐに出られるようにするね」
花穂は大急ぎで私室に行くとエプロンを外して手櫛で髪を整える。Tシャツ一枚だったので上から薄手のカーディガンを羽織り玄関に戻る。響一は脱いだ靴を履き花穂を待っていた。
「急かして悪い」
「大丈夫」
そのまま離れを出て響一と母屋に向かう。
(用ってなんだろう。今朝会ったときは何も言われなかったけれど)
花穂まで呼ぶということは、仕事関係ではないだろうし。
「失礼します」
急ぎ足で祖父の部屋に辿り着くと、響一がひと言かけて引き戸を引いた。
「会長、急ぎの話って言うのは……」
響一はそう声をかけたが次の瞬間、声を詰まらせた。
花穂も同様に驚き目を見開いた。響一が早足で部屋を突っ切る。
「いったい何が有ったんですか?」
祖父の腕には包帯がぐるぐる巻かれ、三角巾でつるされていた。
「……ちょっと転んでしまってな」
「転んで? また無理をしたんでしょう?」