偽装結婚から始まる完璧御曹司の甘すぎる純愛――どうしようもないほど愛してる
 響一は空腹だったのか、お代わりまでして完食した。

 花穂の料理を美味しそうに食べてくれる姿を見ていると、嬉しくて次はもっと美味しいものを作ってあげたいと思う。

 こうしてふたり向き合っている時間が愛しい。

(……今日は話し合うのは止めた方がよさそうだよね)

 三日後ふたりでパーティーに出席する予定がある以上、言い争いに発展して気まずくなったら困る。

 憂鬱な事を先送りにしてしまったときのように、落ち着かない気分だが仕方ない。



 翌日の昼過ぎ。

 出勤した花穂は、早速伊那にパーティーについて質問した。

「今度の日曜日、加納紡績主催のパーティーがあるんだってね。急遽響一さんと私が参加することになったんだ」

「ああ、うちの兄が社長就任の挨拶をする会でしょ? 花穂も出るんだ」

 伊那が意外そうに目を丸くする。

「そうなの。六条家からはお祖父さまが出席する予定だったんだけど、事情が有って私たちが代わりに。伊那は出るの?」

 ちょうどアリビオの定休日と重なっており、スケジュール調整はしやすいはずだけれど。

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