偽装結婚から始まる完璧御曹司の甘すぎる純愛――どうしようもないほど愛してる
パーティー当日。
花穂は姿見の前で、自分の着こなしを確認していた。
新品のワンピースの上質で軽い生地は、身動きするたびに軽やかに揺れる。
クリーム色の色味と控え目な光沢がしっくり来た。
普段は省略しているアイラインを引くしっかりメイクをし、髪は頑張って編み込みアップにした。前髪とおくれ毛はコテで巻いた。
元々手先が器用なせいか、手慣れてないヘアアレンジもメイクも思ったより手こずらず、なかなかの仕上がりで、自分とは思えない程華やかな印象になった。
あっさりした顔立ちでメイクが映えるタイプだからか、思っていたよりも変身した気がする。
(これだったら響一さんと並んでも、なんとかなるかな……何を着ても様になるイケメンの夫を持つとある意味大変かも)
そんな恵まれた悩みに溜息を吐き、仕上げにイヤリングを付けて部屋を出る。
リビングには支度を終えた響一が居て、花穂の姿を見ると驚いたように目を瞠(みは)った。
「花穂?……驚いた。なんだか雰囲気が違うから」
彼は腰かけていたソファから立ちあがり、花穂に近付いてくる。
「今日は頑張ってお洒落してみたから。変じゃない?」
「そんな訳ないだろ? すごく綺麗だ」
響一はうっとりしたような表情で花穂を見つめる。甘やかなその言葉と視線に花穂の胸はたちまち舞い上がった。
「よ、よかった。パーティー会場で場違いになったらどうしようって心配だったの」
「そんな心配はいらない。絶対花穂が一番綺麗だ」