偽装結婚から始まる完璧御曹司の甘すぎる純愛――どうしようもないほど愛してる
「ああ。あいつには腹が立っているが、会社に手を出して関係ない社員を巻き込んだりはしないよ」
「そうだよね。私も響一さんはそんなことはしないって言ったんだけど、信じて貰えなくて、ものすごく怒っていたの。また何か言って来るかもしれない」
心配そうに眉を下げる花穂の手を安心させるために優しく握った。
「大丈夫だ。俺の方でも状況を調べてみるから。それに有馬が花穂に近付かないように手
を打つ」
(それなりの反撃もしておかないとな)
温厚な花穂はショックを受けしまうかもしれないから伝えるつもりはないが、ある程度きつい仕打ちをしておかないと、ああいうタイプの人間は懲りない。
(二度と花穂に手を出させないからな)
花穂を見下していたあの傲慢な顔を想い出すと怒りが湧いて来る。
遣り過ぎないように気をつけないと、まずいことになりそうだ。
荒ぶりそうな心を落ち着けていると、花穂がぎゅっと手を握って来た。
「ねえ響一さん」
「どうした?」
「私ね、響一さんに嘘を吐かれていると思って落ち込んでいたの」
「えっ、俺が嘘を?」