偽装結婚から始まる完璧御曹司の甘すぎる純愛――どうしようもないほど愛してる
 今すぐ先に進みたい。けれどそれ以上に大切にしたい。華奢な体を抱き上げてベッドに運んだ。

 そっと横たえた花穂が真っ直ぐ響一を見つめてくる。愛しくて無意識に彼女の頬に触れていた。

「好きだよ、どうしようもなくくらい愛してる」

 自分がこんな台詞を口にする日が来るとは思ってもいなかった。それなのに今はごく自然に気持ちが溢れてくる。

 花穂が恥ずかしそうに頬を染めた。 

「私も響一さんを愛してる……あのとき結婚しようって私を助けに来てくれてありがとう。響一さんの奥さんになれて本当によかった」

 潤んだ目で訴えてくる花穂の言葉を聞いていると、これ以上はないと思っていた愛情が胸に満ちる。

「花穂、俺のものになって? 優しくする」

「はい」

迷わず返って来た返事が響一の自信を深めた。彼女を組み敷き唇を塞ぐ。

花穂の手が響一の背中に回った。ふたりを遮るものは何もない。

ただ彼女は元婚約者に酷い行いをされた過去がある。

「大丈夫か?」

ほんの少しも不安を与えたくなくて、つい様子を伺ってしまう。

響一の心情が分っているのか、花穂が柔らかく微笑んだ。
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