偽装結婚から始まる完璧御曹司の甘すぎる純愛――どうしようもないほど愛してる
今は見合いをするしかない。
花穂の気持を理解してくれない両親に不満を持ち家を飛び出したが、成人するまで育てて貰ったし、楽しかった家族の思い出だってある。
(あのお父さんがプライドを捨てて頑張ってるし、お母さんだって)
花穂に『ごめんなさい』と何度も謝ってくれたのだ。自分だけ関係ない顔なんて出来ない。
翌日にはコールセンターに連絡をして、実家の事情と退職の意思を伝えた。
急な退職だから話し合いになるかと思っていたけれど、そう言う事情なら仕方がないと、揉めることなく退職が認められた。
後日、退職手続のために一度来社すればいいらしい。
それから伊那に連絡をして、今回の出来事について報告した。
伊那は驚き滅多に聞かない大きな声を出した。
『えっ? 花穂が結婚?!』
「そうなの。もちろん断ろうとしたし、実際一度は断ったんだけど、そうはいかない状況になって……」
彼女には何も隠さず話すことが出来る。
『そんな……まさか花穂の家がそんなに困窮してたなんて』
「私も驚いた。お父さんもお母さんもぎりぎりまで見栄を張りたかったのか、娘にまで困ったところを見せないんだもの」
花穂の気持を理解してくれない両親に不満を持ち家を飛び出したが、成人するまで育てて貰ったし、楽しかった家族の思い出だってある。
(あのお父さんがプライドを捨てて頑張ってるし、お母さんだって)
花穂に『ごめんなさい』と何度も謝ってくれたのだ。自分だけ関係ない顔なんて出来ない。
翌日にはコールセンターに連絡をして、実家の事情と退職の意思を伝えた。
急な退職だから話し合いになるかと思っていたけれど、そう言う事情なら仕方がないと、揉めることなく退職が認められた。
後日、退職手続のために一度来社すればいいらしい。
それから伊那に連絡をして、今回の出来事について報告した。
伊那は驚き滅多に聞かない大きな声を出した。
『えっ? 花穂が結婚?!』
「そうなの。もちろん断ろうとしたし、実際一度は断ったんだけど、そうはいかない状況になって……」
彼女には何も隠さず話すことが出来る。
『そんな……まさか花穂の家がそんなに困窮してたなんて』
「私も驚いた。お父さんもお母さんもぎりぎりまで見栄を張りたかったのか、娘にまで困ったところを見せないんだもの」