偽装結婚から始まる完璧御曹司の甘すぎる純愛――どうしようもないほど愛してる
父は響一の会社と家庭事情について、それなりに調べてあるようだ。
(元会長のお祖父様ってどんな人なんだろう。響一さんに似ているのかな?)
それならばきっと美形だ。けれど未だ影響力絶大ということは、かなり厳しく怖い人な
のかもしれない。
そんなことを考えていると、響一の視線が花穂に向いた。
「本人は隠居した身だと経営に口を出すつもりはないようですし、のんびり暮らしているので気構えなくても大丈夫ですよ」
まるで花穂の心境を読んだような言葉に、優しい眼差しだった。
「は、はい……」
花穂は胸の騒めきを覚えながら相槌を打つ。すると響一が嬉しそうに目を細めた。
「祖父が高齢の為、結婚後も同居したいと思っていますが、夫婦の住いとして敷地内の離れを全面リフォームするつもりなので、プライバシーは十分に保たれます。リフォームの際の内装などは全て花穂さんに任せるので好みにしてください」
「えっ? あ、あの……」
(今、花穂って言ったよね?)
響一は平然とそれまでの城崎さん呼びから花穂と言い換えたが、花穂は動揺が隠せない。
(元会長のお祖父様ってどんな人なんだろう。響一さんに似ているのかな?)
それならばきっと美形だ。けれど未だ影響力絶大ということは、かなり厳しく怖い人な
のかもしれない。
そんなことを考えていると、響一の視線が花穂に向いた。
「本人は隠居した身だと経営に口を出すつもりはないようですし、のんびり暮らしているので気構えなくても大丈夫ですよ」
まるで花穂の心境を読んだような言葉に、優しい眼差しだった。
「は、はい……」
花穂は胸の騒めきを覚えながら相槌を打つ。すると響一が嬉しそうに目を細めた。
「祖父が高齢の為、結婚後も同居したいと思っていますが、夫婦の住いとして敷地内の離れを全面リフォームするつもりなので、プライバシーは十分に保たれます。リフォームの際の内装などは全て花穂さんに任せるので好みにしてください」
「えっ? あ、あの……」
(今、花穂って言ったよね?)
響一は平然とそれまでの城崎さん呼びから花穂と言い換えたが、花穂は動揺が隠せない。