偽装結婚から始まる完璧御曹司の甘すぎる純愛――どうしようもないほど愛してる
「と言うことは響一さんがその気になれば花穂はOKということだ」
「え? そんなこと言ってないじゃない」
「言ってるも同然でしょ? 私はその気だから、あとは彼の気持次第って聞こえたよ」
「伊那の勘違いだよ」
花穂はこの話は終わりと言うように、食事を始める。
しかし伊那は自分も箸を動かしながら、話を続けようとする。
「花穂はさ、以前の婚約が原因で男の人と関わるのを避けていたでしょう? でも響一さんに対してはカフェの客とスタッフだったときから苦手意識がなかったみたいだし、実は前からふたりが付き合ったらいいんじゃないかなと思ってたんだよね」
「そんなこと考えてたの?」
「うん。花穂が心配だったから。それでどうなの? 私の言ってること当たってない?」
「……まあ、一部は当たってるかも」
伊那の言う通り、響一には元から苦手意識がなかった。
気さくに話しかけて来るのに、押しつけがましくなく、これ以上は踏み込んで欲しくないというラインがまるで見えるかのように、適切な距離を置いてくれていた。
親しくなるにつれ花穂のラインは下がっていき、いつの間にか気を許すようになっていたのだ。
「え? そんなこと言ってないじゃない」
「言ってるも同然でしょ? 私はその気だから、あとは彼の気持次第って聞こえたよ」
「伊那の勘違いだよ」
花穂はこの話は終わりと言うように、食事を始める。
しかし伊那は自分も箸を動かしながら、話を続けようとする。
「花穂はさ、以前の婚約が原因で男の人と関わるのを避けていたでしょう? でも響一さんに対してはカフェの客とスタッフだったときから苦手意識がなかったみたいだし、実は前からふたりが付き合ったらいいんじゃないかなと思ってたんだよね」
「そんなこと考えてたの?」
「うん。花穂が心配だったから。それでどうなの? 私の言ってること当たってない?」
「……まあ、一部は当たってるかも」
伊那の言う通り、響一には元から苦手意識がなかった。
気さくに話しかけて来るのに、押しつけがましくなく、これ以上は踏み込んで欲しくないというラインがまるで見えるかのように、適切な距離を置いてくれていた。
親しくなるにつれ花穂のラインは下がっていき、いつの間にか気を許すようになっていたのだ。