偽装結婚から始まる完璧御曹司の甘すぎる純愛――どうしようもないほど愛してる
作業は大分進み今月中頃には入居出来る予定だ。
しかしまだ外壁は足場で囲まれているし、室内の床にはシートが敷かれた状態で完成したときのイメージを掴むのは難しい。電気もまだ通っておらず、室内でも外と変わらない寒さだ。
(新居を見るのは、あの場を離れる口実だったのかな)
祖父と広斗との会話に花穂がついていけていないのを察してくれたのかもしれない。
「かなり冷えるな。大丈夫か?」
響一が心配そうに花穂を見た。
「響一さんに言われて上着を持って来たから大丈夫ですよ」
そう答えると、彼は少し困ったような表情になった。
「さっきは驚いただろ。ごめんな」
「大丈夫ですよ。でもやっぱり理由をつけて連れ出してくれたんですね」
「エスカレートして口論になりそうな気がしたからな。あのふたりいつもあんな感じなんだ」
響一はそう入って肩をすくめる。
ふたりしてなんとなく縁側の方に足を運ぶ。
「おじい様はかなり結婚に拘っているんですね」
響一から聞いてはいたが、実際目の当たりにすると想像以上だった。
しかしまだ外壁は足場で囲まれているし、室内の床にはシートが敷かれた状態で完成したときのイメージを掴むのは難しい。電気もまだ通っておらず、室内でも外と変わらない寒さだ。
(新居を見るのは、あの場を離れる口実だったのかな)
祖父と広斗との会話に花穂がついていけていないのを察してくれたのかもしれない。
「かなり冷えるな。大丈夫か?」
響一が心配そうに花穂を見た。
「響一さんに言われて上着を持って来たから大丈夫ですよ」
そう答えると、彼は少し困ったような表情になった。
「さっきは驚いただろ。ごめんな」
「大丈夫ですよ。でもやっぱり理由をつけて連れ出してくれたんですね」
「エスカレートして口論になりそうな気がしたからな。あのふたりいつもあんな感じなんだ」
響一はそう入って肩をすくめる。
ふたりしてなんとなく縁側の方に足を運ぶ。
「おじい様はかなり結婚に拘っているんですね」
響一から聞いてはいたが、実際目の当たりにすると想像以上だった。