桜ふたたび 後編
❀ ❀ ❀
目を覚ました澪は、満ち足りた気怠さに小さく吐息をもらした。
全身に、幸せの余韻が残っている。
たゆとうような時間を愛おしむように、枕に顔を埋めたとき、頬がひりりと痛んだ。
見ると、乳房にも赤い痕がある。
──ひげ……。
身だしなみには人一倍気を遣うジェイが、時代劇の浪人のような風貌。
しかも、いつもとは違うエキゾチックな香りで、まるで知らない男に抱かれているみたいだった。
「何がおかしいんだ?」
笑顔を向けた澪は、目を白黒させた。
「ジェイ、ひげ……。剃っちゃったんですか?」
「澪が笑うから」
「ごめんなさい。……せっかく伸ばしたのに……」
「ひげなんかすぐに生える。それより──」
鎖骨の下に残った赤い痕を、指先でなぞりながら、
「澪のきれいな肌に、傷をつけたくない」
滑らせた指が胸の鴇色の頂きまで辿り着いたとき、唇から甘い声が漏れてしまい、澪は慌てて起き上がった。
「お腹、空いてませんか? 何か作りましょうか?」
ジェイは、逃すものかと抱き伏せる。
目を覚ました澪は、満ち足りた気怠さに小さく吐息をもらした。
全身に、幸せの余韻が残っている。
たゆとうような時間を愛おしむように、枕に顔を埋めたとき、頬がひりりと痛んだ。
見ると、乳房にも赤い痕がある。
──ひげ……。
身だしなみには人一倍気を遣うジェイが、時代劇の浪人のような風貌。
しかも、いつもとは違うエキゾチックな香りで、まるで知らない男に抱かれているみたいだった。
「何がおかしいんだ?」
笑顔を向けた澪は、目を白黒させた。
「ジェイ、ひげ……。剃っちゃったんですか?」
「澪が笑うから」
「ごめんなさい。……せっかく伸ばしたのに……」
「ひげなんかすぐに生える。それより──」
鎖骨の下に残った赤い痕を、指先でなぞりながら、
「澪のきれいな肌に、傷をつけたくない」
滑らせた指が胸の鴇色の頂きまで辿り着いたとき、唇から甘い声が漏れてしまい、澪は慌てて起き上がった。
「お腹、空いてませんか? 何か作りましょうか?」
ジェイは、逃すものかと抱き伏せる。