再縁恋~冷徹御曹司の執愛~
「……抱くぞ」


短く言い切る声が遠くに聞こえ、熱いものが濡れた場所に触れる。

時間をかけて快感を呼び起こされた体は、喜んで彼を奥深くまで受け入れてしまう。

ひとつに繋がる懐かしい感覚が嬉しくて、つらい。

今も私の体をよく知るこの人が腹立たしいのに、愛しい。

相反する感情に心がついていかない。


「あっ……」


漏れ出る声がキスで受け止められる。

ふたりの腰が隙間なく重なり、さらに奥まで侵入してくる。


「キツイ……な……ここに入ったのは俺だけ、か?」


色香の滲む声が頭上から響く。

快感に体を揺さぶられ、うなずくだけで精一杯だ。

思わず嚙みしめた唇をキスでほどかれる。


「……ダメだと言っただろ? 悪い子だな」


妖艶な眼差しに射抜かれ、瞬きすらできない。


「希和は俺だけのものだと、もう一度きちんと思い出して」


不敵な笑みを浮かべて律動を速めていく。

大きくなる水音が恥ずかしくて耳を塞ぎたいのに、両手の指は彼に絡めとられている。


「……ずっと待っていた、頼むから……もう、どこにも行くな」


薄れていく意識の中で泣きそうに私を見下ろす惺さんを見た気がした。
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