飛べない小鳥は見知らぬ運命の愛に震える
「あの男、そんなことを……」
「もちろん、信じてません」
「ありがとう。私は誓って結婚詐欺などではない」
美鷹の真摯な目に、琴鳥は頷く。
「実は、会社をいくつかやっていてね」
なぜか恥ずかしそうに、美鷹は言った。
「社長って言うと態度が変わる人がいるから、言いたくなかった。君には社長の私ではなく、美鷹である私を見てほしかったから」
その気持ちがなんだかうれしくて、琴鳥は胸が熱くなった。
その後は安堵のせいもあってワインが進んだ。お酒は得意な方ではないのに。
デザートが終わったころにはかなりふわふわした心地になっていた。
「ストーカーの問題が解決していないのに、言うべきではないかもしれないが」
美鷹の改まった態度に、琴鳥は首をかしげた。
「君を愛している」
琴鳥の心臓が大きくはずんだ。
「私の恋人になってくれないか」
「はい」
琴鳥は頷いた。うれしい驚きで頬がいっきに熱くなる。
美鷹は顔をほころばせた。
「手を出して」
琴鳥が両手を出すと、美鷹はその左手の薬指に指輪をはめた。
「今日の記念に。私のネイルの石とおそろいで、スフェーンというんだ」
本物の宝石をネイルに使うことに驚いたが、おそろいと言われてうれしくなった。
スフェーンは日本では近年認知され始めた宝石だ。黄色、緑、茶色のものがある。透明度の高い石の場合、ファイアと呼ばれる輝きはダイヤよりも強い。
美鷹がくれたのは黄色とも黄緑とも言えるような不思議な色あいだった。
美鷹に手を握られて、琴鳥はその手を強く握り返す。
彼女の爪のストーンがライトを反射してきらめいた。
「私のところへおいで」
突然の申し出に、琴鳥は戸惑う。
「ストーカーへの対策だ。私よりも君に攻撃が向かっていて心配だ。私のマンションなら不審者は入ってこられない」
「そんなわけには……」
琴鳥は断った。が、その心遣いがうれしくて羽根が舞うような心地だった。
レストランを出るときには気持ちだけではなく足元がふわふわして、美鷹に支えられて歩いた。
「もちろん、信じてません」
「ありがとう。私は誓って結婚詐欺などではない」
美鷹の真摯な目に、琴鳥は頷く。
「実は、会社をいくつかやっていてね」
なぜか恥ずかしそうに、美鷹は言った。
「社長って言うと態度が変わる人がいるから、言いたくなかった。君には社長の私ではなく、美鷹である私を見てほしかったから」
その気持ちがなんだかうれしくて、琴鳥は胸が熱くなった。
その後は安堵のせいもあってワインが進んだ。お酒は得意な方ではないのに。
デザートが終わったころにはかなりふわふわした心地になっていた。
「ストーカーの問題が解決していないのに、言うべきではないかもしれないが」
美鷹の改まった態度に、琴鳥は首をかしげた。
「君を愛している」
琴鳥の心臓が大きくはずんだ。
「私の恋人になってくれないか」
「はい」
琴鳥は頷いた。うれしい驚きで頬がいっきに熱くなる。
美鷹は顔をほころばせた。
「手を出して」
琴鳥が両手を出すと、美鷹はその左手の薬指に指輪をはめた。
「今日の記念に。私のネイルの石とおそろいで、スフェーンというんだ」
本物の宝石をネイルに使うことに驚いたが、おそろいと言われてうれしくなった。
スフェーンは日本では近年認知され始めた宝石だ。黄色、緑、茶色のものがある。透明度の高い石の場合、ファイアと呼ばれる輝きはダイヤよりも強い。
美鷹がくれたのは黄色とも黄緑とも言えるような不思議な色あいだった。
美鷹に手を握られて、琴鳥はその手を強く握り返す。
彼女の爪のストーンがライトを反射してきらめいた。
「私のところへおいで」
突然の申し出に、琴鳥は戸惑う。
「ストーカーへの対策だ。私よりも君に攻撃が向かっていて心配だ。私のマンションなら不審者は入ってこられない」
「そんなわけには……」
琴鳥は断った。が、その心遣いがうれしくて羽根が舞うような心地だった。
レストランを出るときには気持ちだけではなく足元がふわふわして、美鷹に支えられて歩いた。