ポンコツ魔女は王子様に呪い(魔法)をかける
最終話:答え合わせをするために
家の外で今日も今日とて魔法を失敗するリリアナを部屋の窓から眺める。
「発動はしてるんだがな」
相変わらず魔法が上手く扱えないリリアナだが、彼女の魔法自体は発動している。
いつも失敗に終わるのは叶えたい願いが分散しているからだろう。
“最後くらいアドバイスしてやるか”
そう思った俺は、重い腰を上げて外へと向かった。
――そう、俺はレベッカを追いかけることにしたのだ。
「母が私を捨てたのは、私が可愛くなかったからですよ」
少し拗ねたようにそう口にするリリアナの言葉を否定する。
師匠らしいことなど何もしてやらなかった俺も今から彼女を置いて行こうとしているから。
だがそれは彼女が可愛くなかったからではない。
“女性の美醜なんて俺にはわからないが”
それでも十年も一緒にいたのだ。
恋愛というカテゴリーではないが彼女だって俺の特別であることには違いなく、だからこそ伝えたかった。
連れて行くことだけが、愛ではないと。
“十年前はわからなかったな”
いや、レベッカに会わなければ今でもわからなかっただろう。
だが今なら、彼女の母親が彼女を置いて出た気持ちがわかる。
「案外、痛いな……」
彼女が本当に望むなら連れて行っても構わない。
別に一生帰ってこれないわけでもないのだから、一緒に行こうかとも考えた。
“だが、リリアナが自身に魔法をかけたその理由がこの国にいる”
「発動はしてるんだがな」
相変わらず魔法が上手く扱えないリリアナだが、彼女の魔法自体は発動している。
いつも失敗に終わるのは叶えたい願いが分散しているからだろう。
“最後くらいアドバイスしてやるか”
そう思った俺は、重い腰を上げて外へと向かった。
――そう、俺はレベッカを追いかけることにしたのだ。
「母が私を捨てたのは、私が可愛くなかったからですよ」
少し拗ねたようにそう口にするリリアナの言葉を否定する。
師匠らしいことなど何もしてやらなかった俺も今から彼女を置いて行こうとしているから。
だがそれは彼女が可愛くなかったからではない。
“女性の美醜なんて俺にはわからないが”
それでも十年も一緒にいたのだ。
恋愛というカテゴリーではないが彼女だって俺の特別であることには違いなく、だからこそ伝えたかった。
連れて行くことだけが、愛ではないと。
“十年前はわからなかったな”
いや、レベッカに会わなければ今でもわからなかっただろう。
だが今なら、彼女の母親が彼女を置いて出た気持ちがわかる。
「案外、痛いな……」
彼女が本当に望むなら連れて行っても構わない。
別に一生帰ってこれないわけでもないのだから、一緒に行こうかとも考えた。
“だが、リリアナが自身に魔法をかけたその理由がこの国にいる”