月のない夜に青く溺れて ~彼は本能以上の愛で彼女を包む~
父の言葉が彼女の胸を引き裂く。
昔からいろんな人に言われて来た。
オメガっぽいのにアルファなんだね。
アルファなのに弱そう。
アルファなのに。
いっそオメガなら。
失望されてばかりだった。
彼を失望させてしまったのだろうか。
唇を奪われたから。
ひとときでもオメガに心を奪われたから。
昨日だって、あんなに仲良くしていたのに。
幸せだって言ったら、俺もだ、と言ってくれたのに。
抜け殻のようになってしまい、泣くことすらできなかった。
そんな華凛を置き去りにして、父は無言でリビングから立ち去った。
よろよろと出勤した華凛は、そのやつれ具合に秘書に驚かれ、心配された。
「お休みになってください。予定はなんとかします」
「大丈夫だから」
「大丈夫じゃありません。そんな姿で人に会ったら、わが社のイメージが悪くなります」
ぴしゃりと言われて、華凛はへこんだ。
秘書は人に会う仕事をすべてキャンセルした。
この際だ、と華凛は社内でできる仕事を行った。
仕事をこなして昼食を食べて一息つく。秘書がコーヒーを淹れてくれて、チョコをひとかけ添えてくれた。
温かいコーヒーが、心を少しほぐしてくれたようだった。
そうすると、どうしても婚約破棄を思い出してしまう。
あまりにも突然だった。
自失から抜け出した直後に晟也に電話した。
だが、つながらなかった。
メッセージももう届かない。
何度もかけたが、発信履歴が増えるだけだったのであきらめた。
会社からかけたらつながるだろうか。
一瞬、そんな誘惑にかられるが、ぐっとこらえる。
それで話ができるなら、もうとっくにプライベートの電話がつながっているはずだ。
昔からいろんな人に言われて来た。
オメガっぽいのにアルファなんだね。
アルファなのに弱そう。
アルファなのに。
いっそオメガなら。
失望されてばかりだった。
彼を失望させてしまったのだろうか。
唇を奪われたから。
ひとときでもオメガに心を奪われたから。
昨日だって、あんなに仲良くしていたのに。
幸せだって言ったら、俺もだ、と言ってくれたのに。
抜け殻のようになってしまい、泣くことすらできなかった。
そんな華凛を置き去りにして、父は無言でリビングから立ち去った。
よろよろと出勤した華凛は、そのやつれ具合に秘書に驚かれ、心配された。
「お休みになってください。予定はなんとかします」
「大丈夫だから」
「大丈夫じゃありません。そんな姿で人に会ったら、わが社のイメージが悪くなります」
ぴしゃりと言われて、華凛はへこんだ。
秘書は人に会う仕事をすべてキャンセルした。
この際だ、と華凛は社内でできる仕事を行った。
仕事をこなして昼食を食べて一息つく。秘書がコーヒーを淹れてくれて、チョコをひとかけ添えてくれた。
温かいコーヒーが、心を少しほぐしてくれたようだった。
そうすると、どうしても婚約破棄を思い出してしまう。
あまりにも突然だった。
自失から抜け出した直後に晟也に電話した。
だが、つながらなかった。
メッセージももう届かない。
何度もかけたが、発信履歴が増えるだけだったのであきらめた。
会社からかけたらつながるだろうか。
一瞬、そんな誘惑にかられるが、ぐっとこらえる。
それで話ができるなら、もうとっくにプライベートの電話がつながっているはずだ。