月のない夜に青く溺れて ~彼は本能以上の愛で彼女を包む~
気付いた友達が大声を上げたので男は逃げ去り、彼女は無事だった。
以降もオメガに狙われたことは何度もあった。たいてい、運命の番だと告げられた。決まって男ばかりだった。
「女だからって、私がオメガを誘ったんじゃないかって言われた。男のアルファならそんなこと言われないのに」
「そんなに怖い思いをしていたのに、君は俺を助けてくれたんだね」
彼女の手をとり、その甲にくちづける。
それだけで彼女の全身に甘いしびれが走った。
「気付いてないみたいだけど、君は前にも俺を助けてくれた」
彼は華凛の指を甘噛みする。
「同じ大学にいたんだよ。俺と君は」
彼は華凛を抱きしめる。
「遠くから見る君は常にボディーガードを従えて、婚約者もいて、俺は君を妬んでいた。——そうだね、婚約者のアルファではなく君を妬んだあたり、君を襲ったやつらと俺も同類かもしれない」
自嘲の笑いをもらす。
「そんなことを知らない君は、君に出会ってヒートが始まってしまった俺を、ボディーガードを使って安全なところへ避難させてくれた。自分が逃げるんじゃなく、俺を避難させた。ほかのアルファからも守るために」
「覚えてない……」
「君はあまりに普通に人を助ける。だから覚えていないんだろう」
囁きが耳に甘い。華凛はとろけそうになり、必死に理性を保つ。
「それほどオメガに恐怖を抱いているのに、助けてくれる。そんな君に惚れないわけがない」
彼の声から、腕から逃れようと、手を伸ばす。が、あっさりとつかまり、壁に押し付けられる。
「あれ以来、ずっと君を求めていた。俺の番だと、あのときからわかっていた。だが、運命の番でなかったとしても関係ない。君を愛している。君の隣に立つために必死で努力してきた」
華凛の呼吸は荒い。彼の呼吸もまた、荒い。
お互いを求める抗しがたい衝動に、2人して耐えている。
「結婚してほしい」
その一言に、華凛の均衡が破れそうになる。
脳内で、何者かが甘くささやく。
これほど求められているなんて、幸せなことだ。
以降もオメガに狙われたことは何度もあった。たいてい、運命の番だと告げられた。決まって男ばかりだった。
「女だからって、私がオメガを誘ったんじゃないかって言われた。男のアルファならそんなこと言われないのに」
「そんなに怖い思いをしていたのに、君は俺を助けてくれたんだね」
彼女の手をとり、その甲にくちづける。
それだけで彼女の全身に甘いしびれが走った。
「気付いてないみたいだけど、君は前にも俺を助けてくれた」
彼は華凛の指を甘噛みする。
「同じ大学にいたんだよ。俺と君は」
彼は華凛を抱きしめる。
「遠くから見る君は常にボディーガードを従えて、婚約者もいて、俺は君を妬んでいた。——そうだね、婚約者のアルファではなく君を妬んだあたり、君を襲ったやつらと俺も同類かもしれない」
自嘲の笑いをもらす。
「そんなことを知らない君は、君に出会ってヒートが始まってしまった俺を、ボディーガードを使って安全なところへ避難させてくれた。自分が逃げるんじゃなく、俺を避難させた。ほかのアルファからも守るために」
「覚えてない……」
「君はあまりに普通に人を助ける。だから覚えていないんだろう」
囁きが耳に甘い。華凛はとろけそうになり、必死に理性を保つ。
「それほどオメガに恐怖を抱いているのに、助けてくれる。そんな君に惚れないわけがない」
彼の声から、腕から逃れようと、手を伸ばす。が、あっさりとつかまり、壁に押し付けられる。
「あれ以来、ずっと君を求めていた。俺の番だと、あのときからわかっていた。だが、運命の番でなかったとしても関係ない。君を愛している。君の隣に立つために必死で努力してきた」
華凛の呼吸は荒い。彼の呼吸もまた、荒い。
お互いを求める抗しがたい衝動に、2人して耐えている。
「結婚してほしい」
その一言に、華凛の均衡が破れそうになる。
脳内で、何者かが甘くささやく。
これほど求められているなんて、幸せなことだ。