真面目な委員長ちゃんはイケメンチャラ男に翻弄される。
「紅蘭チャンぐらいだよ、俺にすぐ惚れないのは。
まあ、どうせそのうち紅蘭チャンも俺に惚れるけど……ね?」


こっちに視線をやって、にやりと笑って教室から出て行った。

あんなことは一度ではない。
むしろ日常茶飯事で、「とんでもなくイケメンだけど、女たらしで誘ったら大体は遊んでくれる。女の子をとっかえひっかえだ」って噂だ。


……誰があんな奴惚れるもんか。

大城くんを見ていると父を思い出す。

女と遊んでばかりでお母さんを傷つけた父と姿が重なるんだ……。


だから絶対私は好きにならない。
むしろ嫌いだ。


二人が去っていった場所を睨みつけて席に戻って勉強を開始した。

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