溶けたラムネ入りの炭酸ジュースは、美味しくない。
「先輩、これから本屋さん行きませんか?」
そんな胡桃は、本屋さんに行きませんかと聞いてくる。
「なんで本屋なんて行かなくても、図書室なら、この学校にでもあるだろ」
「違います、図書室の本が読みたいんじゃなくて、本屋さんの雰囲気が好きなんです、あの空間、時間の流れが止まっている感じがするんです」
胡桃は、僕が想像しているよりも、本のことを愛しているかのように、本屋の空間が好きなのだと語り始めた。
「へぇ」
なんて軽く口を挟みながら
「あー、先輩、ちゃんと聞いてますか?」
僕たちは、駅前の本屋まで、歩いて向かうことになった。
学校の最寄りから徒歩で20分くらいってとこだろう。
その間、ずっと胡桃は、本について語っていた。
「私、先輩だから言ってもいいかなって思うことがあるんです。なんにも知らないけど、これだけ世話してくれる優しい先輩になら言えるかなって思うことがあるんです」
わざわざ、僕ならっていうそんな保険をかけてまで、言うことってなんだろうか。
「なんだよ急に」
僕は、何か言いかけられると、次の話が何かわからなくなるほどまで、気になってしまうタイプ。
ていうか、みんな気になるだろ、途中でやめられたら。
「あ、気になっちゃいました?」
胡桃はそう言いながら、急に二、三歩駆け足で前に進むと、後ろを振り返り、胡桃が風で乱れた肩から鎖骨の辺りまである少し短い髪を、そっと右耳にかけた。
こうして、胡桃が言い終えた頃には、駅前まで着いてしまった。
駅ビルの中の2階に本屋があるため、エスカレーターで向かう。
そんな胡桃は、本屋さんに行きませんかと聞いてくる。
「なんで本屋なんて行かなくても、図書室なら、この学校にでもあるだろ」
「違います、図書室の本が読みたいんじゃなくて、本屋さんの雰囲気が好きなんです、あの空間、時間の流れが止まっている感じがするんです」
胡桃は、僕が想像しているよりも、本のことを愛しているかのように、本屋の空間が好きなのだと語り始めた。
「へぇ」
なんて軽く口を挟みながら
「あー、先輩、ちゃんと聞いてますか?」
僕たちは、駅前の本屋まで、歩いて向かうことになった。
学校の最寄りから徒歩で20分くらいってとこだろう。
その間、ずっと胡桃は、本について語っていた。
「私、先輩だから言ってもいいかなって思うことがあるんです。なんにも知らないけど、これだけ世話してくれる優しい先輩になら言えるかなって思うことがあるんです」
わざわざ、僕ならっていうそんな保険をかけてまで、言うことってなんだろうか。
「なんだよ急に」
僕は、何か言いかけられると、次の話が何かわからなくなるほどまで、気になってしまうタイプ。
ていうか、みんな気になるだろ、途中でやめられたら。
「あ、気になっちゃいました?」
胡桃はそう言いながら、急に二、三歩駆け足で前に進むと、後ろを振り返り、胡桃が風で乱れた肩から鎖骨の辺りまである少し短い髪を、そっと右耳にかけた。
こうして、胡桃が言い終えた頃には、駅前まで着いてしまった。
駅ビルの中の2階に本屋があるため、エスカレーターで向かう。