ドロ甘な愛を稀血に溶かして


さらに俺は、毎晩恐ろしい夢を見るようになって……

毎日毎日、寝不足で……



だからお昼休みの今、俺は秒で爆睡してもおかしくはないはずなのに。

頭の中がモヤモヤイライラ。

目をつぶっても、全く寝付けない。



――大好きな人の声を、聞き洩らしたくない!


心の奥の奥で、俺が願っているせいなんだと思うけど……



そろそろ学習しようよ。

男子と楽しそうに話している美織ちゃんの声なんか聴いても、傷つくだけだって。


このクラスの中にいるのかな?

美織ちゃんが惚れた相手。

最強の恋のライバルがどの男子かなんて、俺は知りたくもないけど。




ズキズキと痛む心。

なんとか誤魔化しながら、俺は眠りに入ろうと目をつぶり続ける。


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