ドロ甘な愛を稀血に溶かして
その時
――バタバタバタ。
俺の耳に、教室に駆け込んできた誰かの足音が飛び込んできた。
今度は誰?
俺の眠りを妨げる人は。
ううん、気にしちゃダメだ。
目をつぶって強引にでも寝よう。
そう思ったのに……
「美織~、ごめん、ほんとゴメンだよ~」
なになに?
美織ちゃん案件?
彼女の親友の焦り声に、俺の眠気は吹き飛ばされてしまった。
「陽花里ちゃん。ごめんって、なんのこと?」と、美織ちゃんの声。
「修学旅行の自由行動、一緒に回れなくなっちゃったの~」
パンと聞こえたから、陽花里さんは手を合わせて懺悔をしているようだ。