ドロ甘な愛を稀血に溶かして
「なにかあったの?」
「彼氏が怒り出しちゃって」
「鈴木君が?」
「修学旅行なのに、私と別行動なんてありえないって。美織と先に約束したって言っても、納得してくれなくて……」
美織ちゃんと陽花里さんの会話を盗み聞きしながら、俺はついつい頷いてしまう。
まぁ、彼氏さんの気持ちもわかるよ。
できることなら俺だって、学校行事は大好きな子と楽しみたいし。
お泊りラブが深まる修学旅行なら、1秒でも長く一緒にいたいものだよね。
「陽花里ちゃん、私のことなんて気にしなくていいよ」
美織ちゃん……
他人思いのニコニコ姫は、相変わらずお心がお優しすぎで……