ドロ甘な愛を稀血に溶かして
教室の一番後ろの窓際の席で、寝たふりを続けていた俺。
いろんな感情がドロドロのマグマのように沸き上がり、ついに我慢のリミッターが外れてしまった。
理性なんてものは、今の俺にはない。
この先の俺の暴動で、未来がどうなるかなんて想像する余裕すらない。
俺の脳は、嫉妬でぐちゃぐちゃで。
正常な判断なんて、もはや不可能で。
怒りに乗っ取られたように唇をかみしめながらカバンの中をあさり、一枚の紙を握りしめる。
ガシャン!
大きな音が教室に響いた。
苛立ちモードの俺が、勢いをつけて立ち上がったから。
俺の椅子が後ろに倒れたけれど、椅子なんてどうでもいい。
教室にいたクラスメイト達が「何があった?」と、驚き顔で俺を見つめているけれど。
彼らの視線なんて、それこそどうでもいい。
俺が今、気になるのは
『美織ちゃんの恋心』ただそれだけ。