ドロ甘な愛を稀血に溶かして
見た目が清楚系でカワイイから、美織ちゃんと付き合いたい?
性格が良くていつもニコニコ笑っているから、彼女にしたい?
どうせその程度の想いでしょ?
それは、愛しているとは言わないんだよ。
悪いけど、俺は美織ちゃんを譲りたくない。
自分の人生をかけて、全力で愛し抜く覚悟がない人間たちには、絶対に渡さない。
美織ちゃんだけが、俺にとってのかけがえのない人だから。
机の上の婚約証明書。
さっと手に取り、俺はクラスメイト達に見えるように突き出した。
「美織ちゃんは正真正銘、俺の婚約者だよ」
「だから信じられないって」
「夏川君って、この紙に書いてある文字が読めないの? ほらここ。美織ちゃんが18歳になったら結婚するって書いてあるでしょ?」
「どうせ都合のいいように環が作った、偽物なんだろう? そうだよな? 清住」