ドロ甘な愛を稀血に溶かして


えっ?!

もしや……

俺との婚約を破棄したこと、この場で話すつもり?



やめてよ!



真実なんか伝えたら、唯一の俺の切り札が……

婚約証明書の魔よけ効果が……

無くなっちゃうんだけど!!


恋の魔物男子たちを、追い払えなくなってしまうじゃないか!!



みおりちゃん、ごめんね。

こんな凶暴なやり方、本当は嫌なんだ。

これ以上嫌われたくないし。



でも、俺はライバルを蹴散らしたい。

美織ちゃんの口、塞がせてもらう。



俺はボールをわきに挟むかのように、片腕で美織ちゃんの顔を抱く。



「んっぐ……んっ……んんっ……」



俺の腕の中、控えめにバタバタ暴れるお姫様。



腰まで伸びる、美織ちゃんのストレート髪が揺れて揺れて……

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