ドロ甘な愛を稀血に溶かして
友達の肩に手を置き
「高校生で婚約とか、いつの時代の話だよ……」
と、うなだれている夏川君の隣。
目をキラキラさせているのは森崎さん。
どうやら彼女、クラスメイトの恋バナに興味津々らしい。
ポニーテールを揺らしながら、俺に近づいてきた。
「ねえ環くん。将来、美織ちゃんと結婚するの?」
「そうだよ。お互いが18歳になったら」
「高3で結婚? 来年じゃん、早っ! いいなぁ~いいなぁ~。学生結婚なんて憧れちゃうなぁ~」
森川さん、拍手で祝福してくれてどうも。
彼女とは正反対。
俺たちの婚約を残念がってる男子も女子も、このクラスにはたくさんいるみたいだけど。
ここで最後にガツンと、くぎを刺しておこう!
「そういうことだから。俺の婚約者、勝手に誘惑しないでね」